参議院選挙真っ盛りですが、一番関心のあることは「2000万円」必要問題で年金がトップとのこと。
野党はしきりにこれを不安材料として与党攻撃の材料にしていますが、年金に関わった者として言わせて戴ければ、一党を除きどの政党が政権を担っても無理だと思います。その一党の考え方でも現状の問題点を解決するには相当の年月が必要になると思います。
何が問題かと言うと、現在の年金の制度は「賦課方式」と呼ばれ、今働いている人たちの支払う年金が年金の受給者に回されるというやり方です。設立当初は少子高齢化などの時代ではなく、人口が増えれば当然労働人口が増える訳ですから心配はいらないのですが、人口が減り労働人口が少なくなれば、少ない人数で多くの年金受給者を支えなくてはならなくなります。
私が理事長をしていた「長野県建設業厚生年金」では、確か最終的には1.8人で1人を支えるまでに労働人口が減りました。
この問題を根本的に解決するのであれば長い時間がかかりますが、「積立方式」、つまり、自分の老後資金は自分で積み立てるというやり方です。
現在でも、企業が行っている確定拠出年金や、個人型確定拠出年金がそれに近いものだと思います。
そういう根本的な問題を一切論じないで、「安心して暮らせる年金」などと人気取りの言葉を口にする野党ほど無責任極まりないと思います。