いきなりですが、大谷選手のドジャース入りで注目のメジャーリーグ(以下、MLB)ですが、選手の外国人比率が約30%になっているのをご存知でしょうか?
2023シーズンの開幕当初のメジャー登録選手は945人で、米国以外の19カ国から計269人の外国人選手がメジャー登録選手になっています。
ご存知の通り日本人メジャーリーガーも多いのですが、ドミニカ共和国出身選手が外国人の約40%と最も多く、選手のグローバル化が進んでいます。
1900年以降、メジャーリーガーの生まれた国を調べた物好きな人がいて、そのデータによると1900年には米国外で生まれたメジャーリーガーは4%で、1955年まではその割合には大きな変化はなかったが、1960年には10%を超え、1970年には15%、2000年には20%になり、現在では約10人に3人の割合になったとしています。
もちろん、MLBには外国人枠という縛りはありませんから、その比率が増えて行くのは当然のことです。
ただ、ここからは持論ですが、ベースボールが生まれたアメリカと言えども、国内の選手だけではファンからお金を頂いて、エンターテイメントとしての「見せる(魅せる)野球」が保てないからだと私は思っています。
日本のプロ野球(以下、NPB)では、外国人枠が設定されており、現在は、各球団で任意の数の外国人選手を支配下選手登録できますが、出場選手登録(一軍登録)は4人までで、かつ投手または野手として同時に登録申請できるのはそれぞれ3人までというルールになっています。
さて、日本の野球人口の減少は危機的な状況です。少子化の影響がもちろん一番大きいのですが、2021年の10代(小中高生、大学生など)の野球の推計人口は137万人であり、2001年の282万人からの約半数。男子に限って言えば、2001年の265万人から2021年は122万人と100万人以上減少している状況です。
この状況で、NPBは将来エンターテイメントとしての「見せる(魅せる)野球」を保つことができるのか?
加えて、「叱る」と「怒る」と「指導」がハラスメント的に曖昧な世の中なので、もう少し強い指導をしたら伸びる可能性のある選手も、指導者がハラスメントを警戒し、そこまで深い指導が出来なくなっています。(それが悪いとは言っていません。)
現在、NPB12球団では一軍のベンチ入り選手数は320人前後ですが、プロ野球チームの数を増やす「16球団構想」なるものも非公式には存在します。仮にその構想を実現したとしたら、更に60人以上実力のある選手を揃える必要があります。
と言うことは、10年前なら265万人の中から380人の優秀な選手が上がって来たのが、現在では122万人の中から380人に上がっ来てもらわなければなりません。
そうなると、数字的な要素からみて、今のNPBのレベルを保つことが難しくなります。ならば外国人枠を撤廃しないとエンターテイメントとしての「見せる(魅せる)野球」をファンに提供することは不可能になります。
今後、現在のNPBの体制を崩さないとしたら、その対策としては、「叱る」と「怒る」と「指導」の判断基準の明確化が大切だと思います。そこを明確にして上げないと、近い将来では、ハングリーな国出身の選手がNPB選手の大半を占めると予想しています。
私は、これまたそれが悪いことだとは思いませんが、それがNPBの辿る道だと感じています。
あくまでも持論です。
以上です。