いきなりですが、昨日のブログのつづきです。
さて、亡き師匠の奥さんと二人で劇団を切り盛りするようになった後輩ですが、案の定と言うか、当然と言うか・・・、残念ながら劇団の運営は上手く行かなかったそうです。
二人で苦労に苦労を重ねましたが、どうしても仕事がもらえない日々が続きました。
一方で、仕事上支え合っていた二人は、これも自然の流れと言っていいのか、いつしか恋に落ちることになります。
彼は、この時点で役者を諦めたそうです。
「飯島さん、食って行かなきゃならなかったんです。」
彼は、その時の気持ちをそう私に話しました。
奥さんと師匠が残した幼い男の子を食わして行く為に、彼は地元に帰り建設業に従事することになります。
毎日汗水たらして働きました。
ようやく仕事も軌道に乗って来たある日のことです。
奥さんは、急に台所で倒れあっけなくこの世を去ってしまいました。
正に、これからと言う時でした。
「飯島さん、あいつの人生、どうだったんですかね?」「幸せだったんですかね?」
こう言われても、私には簡単に答えることなどできませんでした。
「でも、俺の長男(師匠の息子)、もう36歳なんですよ。」「立派に働いています。」と、彼は嬉しそうに話していました。
ある後輩のお話です。
以上です。