ハノイ研修の話は続きます。
昨日のブログで、「選ばれる国」となるには、先ず現在受入れる立場にある我々が「尊敬される人」となり、「敬意を払える人」となることが大事だとお話をさせて頂きました。
今日は、その「わけ」についてお話しします。
今回我々は、技能実習生の受入面接では無く、実習状況視察の為にハノイを訪問しました。実習生の受入手続きからすると、我々は今回の視察で2名の実習生を募集して頂くことに決めましたが、それだけで完了にはもちろんなりません。
日本側には受入れるための制度として、企業単独型受入制度と団体監理型受入制度があり、我々のような中小企業はほとんどが団体管理型の受入制度を採用します。監理団体とは、技能実習法令で定められた要件を満たし、外国人技能実習機構へ監理団体の許可申請を行い、主務大臣の許可を得た管理団体であり、要は、私がいくら「実習生に是非来て欲しいから、直ぐに来て!!」と言っても、受入れる為の諸々の審査と手続きを行う管理団体を通さないと、実習生の受入れは勝手に出来ないことになっています。
従って正式には、我々は現地の送出し機関に実習生の受入れの要請をするのでは無く、日本の受入れ管理団体にオファーを出す必要があります。
さて、本題です。
我々がハノイにいる間に、我々を案内してくれた現地送出し機関の担当者に日本の管理団体から連絡が入りました。
内容は、今回受入れ要請のあった日本の農業法人から「実習生の必要が無くなったのでキャンセルしたい。」とのことなので、面接はキャンセルしてくれとのこと。しかも、面接は連絡のあった翌日です。私はそれを聞いて憤りを感じました。現地の送出し機関が、管理団体からの正式な要請を受け、ベトナム各地から農業技能実習生候補者を数か月掛けて募集し、応募してきた人の中から書類選考等を行い、ようやくパスし、明日の面接に備えてハノイまで何時間も掛けて、またなけなしお金を掛けて面接にやって来る人たちが既にいるのです。送出し機関の担当者だって、その連絡後、顔がみるみる真っ青なって行くのが分かりました。それはそうです。このドタキャンでどれだけの人が迷惑を被るか計り知れません。それをいとも簡単に「急遽、いらなくなったからキャンセルする。」って?
これじゃ、到底「選ばれる国」には成り得ません。私は、同じ受け入れを考える者として情けなくなりました。当然、ほとんどの方たちは、このような非常識極まりない、敬意など微塵も感じられない行動などしないと思いますが、誰か一人でもこのような輩がいると、全体に影響がでます。そして尊敬なんて決してされないでしょう。
だから、「出入国管理法改正」について様々議論はありますが、先ずはこういうことからだと強く思うのです。
以上です。