空港の話を書いていたら、空港ネタをどんどん思い出します。
　さて、今日も空港での話です。

　この時のことは忘れもしません。2001年9月11日アメリカ同時多発テロ事件が起きた年のことだったからです。
　2001年は、私が以前所属していた団体の理事長に就任する前年でした。この団体では、姉妹締結を結んでいる韓国ソウルの団体を、翌年の理事長団が公式訪問するのが慣例となっていました。　しかし、9.11のテロ事件がありましたから、海外への渡航が憚られいる時期。普段であれば大挙して公式訪問をするのですが、話し合いの結果、最少人数で11月にソウルを訪ねたのです。
　公式訪問日程は何事も無く消化し、いよいよ帰国の段となりました。

　しかし、私には一つ心配なことがありました。と言うのも、公式レセプションでは、いつも記念品の交換をするのですが、その時ソウル側から贈られたのは、ガラスケースに入った、韓国の古い刀剣の置物。イミテーションとはいえ、「これは持ち出しが出来るのか？」と訝っていたのです。
　とりあえず、この置物は、機内には持ち込まず預けることにして、チェックイン。するとしばらくして、仁川空港内に日本語で呼び出しメッセージが流れました。慌てて指定されたカウンターに行くと、案の定心配した通り、この置物は・・・。と言う指摘。

　それはそうです。9.11が起こってまだ2か月です。少しでも怪しいものは指摘を受けて当然です。我々は、手荷物検査場の内部まで連れて行かれ事情聴取です。そうは言ってもせっかく用意してくれた記念品。「これ置いて行きます。」（言いたかったのですが。）とも言えず、1時間以上交渉を重ね、出発時間ぎりぎりで、ようやく許可。なんとか無事持ち帰ることが出来たのですが、ソウルの気の良い彼らの顔を思い浮かべながら、「そうは言っても、もう少し考えろよな。」と思った次第です。(笑)

　以上です。