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シラク3原則 2021.3.3

 いきなりですが、皆さんは「シラク3原則」って聞いたことはありますか?
 フランスで奏功している少子化対策としてご存知の方もいるかも知れませんね。

 しかし、この「シラク3原則」の基本理念を知っている方は、少ないのではないでしょうか。そういう私も、この「シラク3原則」は単純にフランスにおける少子化対策だとばかり思っていましたが、実は基本的な考え方は違っていたのです。

 と言うのも、1980年代から90年代にかけてフランスワインを飲む人が減り、パリにはディズニーランドができ、英語の大学院ができと……「このままではフランス文化が無くなってしまうのではないか?」との危機感をフランス人が強く持つことになったそうです。その後この懸念について徹底的に議論を重ねた結果、「フランス文化を守るべきだ!!」ということが国民の統一した意志になりました。文化の一丁目1番地は言語。そこで、フランス語を話す人を増やす、フランス語を話す人を増やすと言えば、フランスで生まれる子供を増やすしかないと言う結論になったそうです。

 そこで政策として確立されたのが「シラク3原則」です。

シラク3原則
1、子どもを持っても新たな経済的負担を生じさせない。
2、無料保育所の完備。
3、育休から女性が職場復帰する際、育休前の職階や給与を担保する。(民間企業も)
 この3原則に加えて、婚外子を差別しないことをセットにし、「シラク3原則」と言う政策を導入しました。

 ここ数年は2%を切っていますが、1994年に1.66%まで下がったフランスの出生率は、10年あまりで2%にまで上昇し、先進国では高い出生率を保っています。

 「シラク3原則」の基本理念をしっかりと国民が理解し、その上でただただ産んでくれと言うのではなく、昔から言われている通り、「子どもは国の宝」だとし、産む産まないは女性の意志に任せるが、もし産むと決めたら、国がその子供を一緒に育ていくことによってフランス文化を守っていくと言う意思が見て取れますよね。

 この「シラク3原則」が最も素晴らしい少子化対策なのかは、正直私には分かりませんが、少なくとも国の方向性は明確で理解が出来ます。

 余談ですが、フランス人男性の70%は産休を取得するそうです。
 これも驚きました。

 以上です。

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