いきなりですが、過日は久しぶりに上野駅を利用する機会がありました。
下の写真は、いかにも終着駅っぽい、線路がそこで止まっている上野駅のホームです。
さて、北陸(長野経由)新幹線が開通するまでは、長野駅から「特急あさま」に約3時間揺られながら東京を目指しました。
その東京の玄関口が上野駅です。
以前もお話ししましたが、長野県の東信地域や北信地域に住む、または住んでいた昭和な我々にとっての東京物語はいつも上野駅から始まりました。
遥か昔、子供の頃の東京と言えば、なんと言っても上野駅広小路口を出て横断歩道を渡ったところにあったおもちゃ屋さんです。
東京に住む親戚の用事(法事?)か何かで、祖父母、または両親に手を引かれながら東京に行く。そこで、「今日一日、ちゃんといい子にしていられたら、帰りに上野のおもちゃ屋さんに連れて行って上げる。」と約束をしてもらい、頑張っていい子にして、約束通り駅前のおもちゃ屋に連れて行って貰う。もう長野を離れる時から、頭の中は上野のおもちゃ屋さんのことでいっぱいです。今では夢の国は舞浜にあるあそこに取って代わられていますが、あの頃の私にとっての夢の国はこのおもちゃ屋さんでした。何しろ、田舎のおもちゃ屋と比べ、ありえない種類のありえない数のおもちゃがところ狭しと並んでいて、もうそこから一生離れたくなくなる。それでも「汽車の時間があるから。」と首根っこを掴まれる勢いで引きずられ泣く泣くおもちゃ屋さんを出たことを思い出します。
また、同じく上野駅近くにあった洋食レストランの「聚楽」さん。
「聚楽」さんは今でも上野駅周辺にあるとは思いますが、生まれて初めてハンバーグとエビフライが同じお皿に乗って出てきたのを見たのはこの「聚楽」さんです。なにしろ大好物の2品が一緒のお皿に乗っているんです。その衝撃に、驚いてひっくり返りそうになりました。
そうそう、クリームソーダを初めて見たのも、そして飲んだのもこの「聚楽」さんだったとはっきり覚えています。
メロンジュースの上にアイスクリームが乗っているなんて、そんな夢のような話がありますか?
感動以外に言葉が見つかりませんでした。
じいちゃんに注文をして貰い、クリームソーダを初めて飲みましたが、アイスクリームがもったいなくて食べられなくて、いつの間にか溶けてしまいました。
あのおもちゃ屋も、あの「聚楽」さんも昔あった場所にはありません。
ただ、上野駅に行くたびに、子供心が蘇ります。
上野駅は、そんな駅です。
以上です。