いきなりですが、お正月らしいお話を。
先ずは写真をご覧下さい。
そうです。これは桜です。もちろん季節外れの桜なので、その辺の桜の木から枝を勝手に折って来たわけではありません。
というのも、昨年暮れに、正月の締め飾りをいつもとは違った少しお洒落なものにしようと思いつき、友人の花屋さんに相談すると、「あるよ。」というので柄にも無く何年か振りに花屋さんを訪ねました。
ちょっとお洒落な締め飾りを無事に購入し、さて帰ろうかと思ったらその友人が、「これいるかい?」と。よく見ると、開花前と思しき芽が付いた桜の枝の束を渡してくれたのです。
この時期に桜?と思って話を聞いて見ると、この桜は「啓翁桜」と言って、冬に花を咲かせる桜なんだそうです。山形県が日本一の出荷量を誇り、12月中旬から3月まで観賞用の桜として楽しむことが出来るとのこと。
私、こんな桜があるなんて全く知りませんでした。そこでいつものように調べて見ると、「啓翁桜」は昭和40年代の後半から栽培が始まったそうです。毎年12月初旬に出荷のピークを迎えるのですが、正月に満開になるよう、桜に「春が来た」と勘違いさせる処理をするのだそうです。まずは切り出した枝を気温8℃以下の環境で500時間以上を過ごさせる必要があるのですが、その時間が短いと花を咲かせてはくれないそうです。その後、その枝に温湯(おんとう)や薬品で処理を施し、温室に入れて開花を促進させるとのこと。
要は、桜に季節を偽って咲かせているのです。かなり手が込んでいます。(笑)
さて、頂いた我が家の「啓翁桜」は現在満開を迎えています。それにしても、桜と言うのはなんでこれほどまでに日本人の心に響くのでしょうか?
まあ、これが「国花」たる所以なんでしょうね。
桜のお陰でいつになく華やかな正月を迎えられたと言うお話です。
以上です。