今日は3月11日です。あの悪夢のような東日本大震災から8年を迎えます。
死者、行方不明者そして震災関連死を含め、2万2131名の方々が犠牲になられ、今なお5万2千名の方々が避難生活を続けています。また、メルトダウンした原子力発電所の廃炉にも、あと30年は掛ると言われています。復興はまだまだこれからですね。
さて、最近海外に行って実際にこの目で見たり、ニュース等でも様々な国のインフラ整備状況が伝わるようになってきましたが、その際、ふと疑問に思うことがあります。それは、「日本のインフラは一流なのだろうか?」というところ。私が物心ついた時は、日本は高度経済成長期の真っただ中にありました。わが国が持つ高い技術力や、当時のインフラ整備に掛ける国の予算から言っても、日本のインフラは世界でも超一流と言われて来ました。しかしです、かつて発展途上国と言われていた中国やタイをはじめ、こんにちでは経済成長率の高い新興国などのインフラ整備の状況を鑑みるに、既に日本のインフラは一流ではなくなっている気がしてなりません。
敢えて、わが国で起きてしまったインフラの整備不足に起因する人為的な可能性のある災害の列挙は避けますが、特に過去20年では、一流のインフラ国家には考えられなかったような言わば人為的と言える災害が増えています。
以前、「コンクリートから人へ」なんて、耳心地のいいキャッチで、公共投資を悪のように扱った政権がありました。この政権の時に多くの建設業者が倒産し、そこに携わるこれまた多くの方々が職を失いました。然らば、全てとは言いませんが、この時の政権が、現在の超人手不足と多発する人為的な可能性のある災害を引き起こした一因であることを否定できないと私は思っています。
現在でも公共工事への投資とか、それに伴う建設債の発行は「後世へのつけ回し」だと批判する方もいます。もちろん、以前のように、まるで政治家の力比べのように、必要の無い物を造るような公共工事は必要ありません。しかし、未整備によって痛ましい事故が起きてしまったり、小規模の地震や自然災害にも耐えられないようなインフラをそのままにすることの方が、よほど「後世へのつけ回し」だと私は強く感じています。
一流で、且つ正しいインフラ整備は、国民の命と財産を守ると思うのです。
以上です。