いきなりですが、昨日は、これまで30年に渡り経営者として商売をさせて頂いていますが、お客様に「また宜しくお願いします。」とか「明日もお待ちしています。」とかを言わずに、「これまでありがとうございました。」のみでお見送りするという、初めての経験をさせて頂きました。
と言うのも、以前このブログでも紹介させて頂きましたが、30年に渡り千曲市で運営させて頂いたグループ会社である「ゴルフ練習場リフレ」が昨日を以って閉店となったのです。
オープン時のゴルフ界は、青木功さん、ジャンボ尾崎さん、中嶋常幸さんと言う、いわゆるAONの全盛期で、ゴルフ練習場は順番を待つ行列ができたほどでした。
以来、バブル崩壊やリーマンショック等による経済状況の悪化、それに伴うゴルフ人口の低下、更には3度に渡り浸水災害に見舞われるなど紆余曲折の30年でした。
特に令和元年の台風19号災害では壊滅的な被害を受け、再開はあきらめる寸前まで行きましたが、お客様からの「絶対にやめないでくれ。」とのお言葉、そしてついには災害義援金まで集めて下さったことに感動。加えて、国からの災害補助金を受給できることが分かり、何とか再開を果たすことができました。
再開後は、コロナ禍で密を避けられることでゴルフ人気が高まり、ようやく客足も回復基調になって来ました。
そんな矢先のことです。国や県などが進めている「緊急治水対策プロジェクト」の一環で、霞堤の中に遊水地を整備するために「このリフレの土地が必要なんです。」と言う打診を国土交通省より受けました。
それからは、お客様を始め従業員の気持ちを考えながら、検討に検討を重ねてきましたが、あの台風19号災害を目の当たりにして、「地域の安心と安全を守る責務」のある建設会社を母体とする企業として、気障なようですが、「地域に暮らす方々の命を守る以上の使命はない。」との判断にいたり、「緊急治水対策プロジェクト」に賛同し協力することに致しました。
閉店が決まった後の心配は、現場スタッフのテンションが下がってしまうことでした。しかし、そんな心配は杞憂に終わりました。最後の最後のお客様まで、気持ちよく笑顔でお見送りしてくれました。
現場スタッフには感謝の言葉しかありません。
本当に「ありがとう。」
「ゴルフ練習場リフレ」は地域の皆様に愛されつつも、令和5年10月31日を以って閉店致しました。
そして、我々スタッフ一同は、あんな豪雨災害が2度と来ないように、そしてこの「リフレ遊水地」が将来に渡り使われることがないようにと、心から祈っています。
以上です。
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