いきなり難しい漢字ですが、これは「捔力」と書いて「すまひ」と読むのだそうです。
奈良時代の「日本書紀」にも登場しているのですが、「捔力」とは我が国の国技である「相撲」の始まりだと言われています。
実は、昨日久しぶりに時間があったので娘にせがまれて県立図書館に行って来ました。娘の借りたい本を一緒に物色している中、「お相撲ことば」という本を見つけたのです。以前にもお話ししましたが、友人の子息が角界にいて、その部屋の関係者と親しくお話をさせて頂く機会のある中、会話の中に多く出てくる相撲用語にとても興味を持っていたのです。なので、いつかそんな本があったら読んで見たいと思っていたのですが、昨日、偶然図書館で見つたのです。
もちろん借りて来ました。
この本は、こどもたちと楽しむための「お相撲ことば」解説本なので、とても分かり易く書かれていますから、漫画のようにすらすらと読んでしまいました。
例えば、「お相撲ことば」が語源となって、現在も我々が使っている言葉だと、「がんちこ」「ぶちかます」「揚げ足を取る」「土左衛門」「変わりが身が早い」なんかが代表的でしょうか。
我々があまり知らない角界の隠語だと、「骨折り」はお手伝いに対するお礼や報酬。「性がいい」は気前がいい人のこと。「そうめん代」は巡業に出た時のおこづかい。「お天気」は財布の中身が乾いてお金が無いこと。「太郎」はもろに給与のことで、昔は床山さんの日給を言ったそうです。野外興行中の雨天等で、半日で興行が中止になった場合の日給を「半太郎」とも言ったようです。ここに紹介した隠語は、お金にまつわることのみですが、「お相撲ことば」は奥深く、洒落っ気があり、且つ粋な感じが漂います。
さて、「捔力」ですが、「捔力」は奈良時代垂仁天皇の命により、「当麻蹴速」と「野見宿禰」が力くらべをさせられたのが始まり。「捔力」とは中国語の「角力」。要するに力くらべと言う意味。現在も相撲界を「角界」と呼ぶのはその名残だそうです。
で、「捔力」が「相撲」になったのは、「捔力」の読みは「すまひ」。「すまひ」の元は「すまう」。「すまう」は相手の体をつかんで、力や技を争うことを意味していて、その後平安時代には「相撲」と書くようになったそうです。
とにかく面白かったのでご紹介しました。
以上です。