いきなりですが、人間の脳は10,000年進化していないと言われています。
その証拠に、例えばバイオリン一つとっても、名器「ストラディヴァリウス」は、300年たった現代でもそれを超えるバイオリンは生まれていない。だから、何事も歴史に学ぶことが大切だと、私の好きな「出口治明さん」がよく講演で話しています。
さて、過日機会があって「感染症の日本史」なる本を読んで見ました。
最初は興味も薄かったのですが、読み進めるうちにその内容がとても面白く、お風呂にまで持ち込んで読んでいたので、5時間程で読破してしまいました。
中でも興味深かったのは、江戸時代、感染症が流行った際、お上が「給付金」や「医療品」を配布した記録が残されていること。
彼の「滝沢馬琴」や「近来年代記」の記録によると、享和3年に麻疹が流行した際、お上から町人が召し呼ばれ、所得制限はあったようですが、「男米5升、女米4升、子供米3升」が下されたと記されているそうです。これは当時の半月分の生活費程度だったようです。
また、安政6年の記録によると、この年はコレラが大流行。記録によると幕府では、「芥子泥」と言う、「からし粉」と「うどん粉」を混ぜ合わせた貼薬を民にすすめたり、大阪の東町奉行所では「法香散」という「ショウガ」を煎じた薬を民に配ったと言うのです。
「からし粉」も「うどんも粉」も、もちろん「ショウガ」の薬なんてコレラに効くわけがないのですが、封建的な江戸時代においてお上が給付金や医療福祉を行ったと言う事実には驚きました。
で、歴史に学ぶことは大事と言う話になるわけですが、江戸時代から既に150年以上経過しています。そして、今回の新型コロナウイルスによるパンデミック。結果にだけケチをつける気持ちは毛頭ありませんが、例えばあの「アベノマスク」も、残念ながら「からし粉」「うどんも粉」、そして「ショウガ」の薬と変わらないとまでは言いませんが、やはり為政者は、歴史に学び対応策は「実効性」に拘って欲しいと思います。
以上です。