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河野行革担当大臣へ 2020.9.24

 菅内閣の目玉政策で、河野行革担当相が責任者となる「行政改革目安箱(縦割り110番)」は17日に開設したものの、18日までに4000件を超すメールが殺到し、いったんは閉鎖された状態になっていますね。

 実は私、この目安箱で是非とも検討頂きたい行革と言うか規制緩和があるのです。

 回りくどいことを言わずに単刀直入に言うと、それは「建物の用途変更に関する緩和」です。

 昨年の建築基準法改正では用途変更において確認申請が必要な規模が100㎡から200㎡に変更されました。この改正により、大方の「戸建住宅」が、確認申請を提出することなく他の用途、例えば物販店舗や飲食店、簡易宿所やシェアハウス(寄宿舎)に用途変更することができるよう緩和されました。

 ただ、この度のコロナ禍で、今後社会システムや言われている生活様式が大きく変化して行くことが予想されており、建設や不動産の分野で言うと、実際にテレワーク等の普及により、特に大都市圏ではオフィスビル需要に陰りが見え始めているようです。この現象は日本だけでなく、例えばあのニューヨークのマンハッタンやロンドンのシティでさえも同様の現象が顕在化しているようです。

 さて、「多様性」と言う言葉があります。現在使われている「多様性」は人の個性としての「多様性」と言う意味合いが強いと思うのですが、ではこれを仕事の仕方、生活の仕方の「多様性」として考えた時にはどうでしょう?私は、ポストコロナにおいては、仕事や生活の仕方の「多様性」に魅力と可能性を感じています。

 極端な例ですが、駅前の一等地のビルにAさんの勤務するB社のオフィスがあるとしましょう。そのビルは、今回のコロナ禍の影響で多くのテナントが出て行ってしまった。そこで、空いたフロアを住居にしたところ入居者が殺到するようになった。B社に勤務するAさんもそれならと言うことで、そのビルの住居部分に移り住むことにした。今では5階にある自宅から2階にあるオフィスに行って仕事をしたり、5階の自宅で仕事をしたりすることで、とても仕事の効率が上がっている。
 繰り返しますがこれは極端な例ですが、仕事と生活の「多様性」として、こんなことも考えられると思うのです。

 しかしです。

 現在の建築基準法では、200㎡を超える建物の用途変更はとても手続きが面倒なのです。このブログでも何回か紹介させて頂き私も是非取り組みたいと思っている、「渋ビル」の再利用やデザインリノベーションにおいても、この用途変更の規制があるとこれまでオフィスビルだったのを「住居にしたい」とか、「ホテルとして再利用したい」とかの、利用者や所有者ニーズに対し迅速に応えきれないというジレンマがあるのです。
 そして、なにより内輪の話で恐縮ですが、私がこのように用途変更の必要な企画提案の話をすると、当社の建築担当M常務が、「社長、それは規制がありますから・・・。」と、中々いい顔をしてくれないのです。(笑)

 河野行革担当相、景気刺激の観点からも、環境配慮における再生・再利用の観点からも、「建築物の用途変更に関する緩和」を何卒ご一考頂きたく宜しくお願い致します。

 以上です。

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