いきなりですが、過日の海外出張では決まったのが急だったため、海外出張のお供となる、個人的なエンターテイメントはなにも準備していませんでした。
と言うことで、今回の機内の暇つぶしは、あらかじめエアラインが用意してくれている映画を観ることになりました。
ただ、その映画はとても58歳のおじさんが観るような作品では無く、若い2人の主人公によって繰り広げられる甘く切ない恋愛とそれぞれの夢を描く内容。
フライト時間が短かったので、映画のチョイスは「一番時間の短い邦画」を条件としていたので、選ばれたのがこの映画でした。
さて、この映画は物語の象徴的で印象的なシーンでは、必ずあの名曲「翼をください」が流れました。
♪今、私の 願いごとが
♪叶うならば翼がほしい
♪この背中に 鳥のように
♪白い翼 つけて下さい
私に取って「翼をください」で思い浮ぶ人はただ一人。
今は亡きA先輩です。
27年前、所属していたある団体が大きな大会を開催した際、A先輩は実行委員長。
大会のクライマックスの式典では、参加者世代(団体は40歳定年で、卒業生となる40歳の方々)の青春時代を象徴する曲が流れます。そこでA実行委員長が選んだのが「翼をください」でした。式典当日は、実際に山本潤子さんが来て「翼をください」を熱唱してくれました。
A先輩は、凄くお洒落で、ワインが好きで、もちろん高級店も行きますが、どちらかと言うとB級グルメで、後輩とお酒を飲むのが好きで、寂しがり屋で、でもひとりでいるのも嫌いじゃなくて、なんでも相談に乗ってくれて、優しくて、それでも怒る時は怒るし、強情っ張りで・・・。
今年の4月には、仲間内でA先輩の七回忌の食事会をしました。我々の他でも、A先輩を偲んで七回忌の食事会をしたグループもいくつかあったようです。
まあ、それだけ皆から慕われた先輩でした。
で、話は戻りますが、飛行機の映画の中で「翼をください」が流れて来た時、A先輩の顔が浮かんで来ました。
♪この大空に 翼を広げ
♪飛んで行きたいよ
♪悲しみのない自由な空へ
♪翼はためかせ行きたい
思わず涙が出て来てしまいました。CAもおかしいと思ったと思います。
6年前、A先輩は60歳の若さで「悲しみの無い自由な空」に旅立ってしまいました。
大好きな先輩でした。
A先輩との最後の会話と指示は、倒れる1週間ほど前に、大宮駅のタイ料理屋で「俺、もう食べれないから、お前このカレー食べろ!!」でした。
A先輩、「たまには俺を思い出せ!!」と言っているのかなー。
なので、この出張で帰国し、A先輩の指示通り直ぐにカレーを食べたと言うお話です。
失礼しました。
合掌