飯島建設株式会社

BLOG グループ代表ブログ

グループ代表ブログ > 選ばれる国に

選ばれる国に 2018.12.10

 ハノイ研修のお話をもう少し。

 研修の主たる目的は、過日もお話ししましたが、関連会社での左官技能者の採用と左官以外でも、建設系技能者採用の可能性を探ることです。

 私が見学した3か所の技能研修施設では、既に日本行きが決まっているベトナムの若者が、懸命にそれぞれの職種に合わせた専門技術の訓練と日本語習得の訓練を受けていました。

 研修生は、既に妻子のある人や、もちろん独身の人もいて、家庭環境は様々ですが、日本に旅立つまでの6か月間を、体育会の合宿所に似た施設で共同生活を送ります。15畳ほどの部屋に2段ベッドが6台ほど設置され、約15名で一部屋を使用。身体の小さな技能実習生は、一つのベッドに二人で寝ます。これを聞くと、「劣悪な環境の中に押し込まれて、酷い!!」なんて思うかも知れません。確かに、窮屈でプライベートなんて皆無ですが、部屋自体は、とても清潔で食事もきちんとしていますし、何より生活している皆さんに嫌な悲壮感は微塵もありません。とにかく、日本に行くまでに専門技術と日本語習得をするのに一心不乱ですから、そこから漲るパワーに、私の方が気圧されそうになるくらいでした。

 技能も直に見て来ましたが、まだ十分とは言えませんが実際に訓練を積めば、十分職人としてやっていける技術も習得していました。関連会社の社長とも話しをして、先ずは2名の技能実習生を募集して貰うことにしました。

 さて、週末の参議院で「出入国管理法改正案」が可決成立し、来年の4月から施行となりました。野党や国民の一部からは法案整備の未熟さと拙速さを追求されていましたが、確かにそう言う面は否めませんでした。ただ、一方で私はこの法改正を違った側面で捉えています。それは、今後はこれまでのように「受け入れる国」から「選ばれる国」に変化して行くだろうと言う部分。

 日本の人口分布ピラミッドから言って、現在の生産性を維持と言うより、GDPを多少下げたとしても、とても生産世代が国全体の生産需要に追い付かない。加えて世界の工場と言われた中国人の所得が上がっている。そこで、この中国が現在の経済成長率を維持して行くと当然外国人の生産世代需要が跳ね上がるので、需要は世界的にひっ迫。したがって、今度は「受け入れる国」から「選ばれる国」に変化せざるを得ないはず。

 然らば、今回の法改正の詳細を詰める中で、少なくとも「選ばれる国」の観点を意識した法改正であって欲しいと強く思っています。

 帰りの飛行機の中で、では、「選ばれる国」になるにはどうすべきなのかを考えました。

 私が出した答えは単純です。

 それは、一も2も無く、技能実習生を受け入れる我々が、先ずは「尊敬される人」となり、「敬意を払える人」となることです。

 以上です。

飯島建設株式会社