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首里城復元物語のすすめ 2024.3.13

 いきなりですが、昨日のブログで先週末に復元工事中の首里城を訪れたことをお話ししました。

 その時にふと、着工から100年以上が経過しても今なお建設中(一説には2026年竣工と言う話もあるが)という、スペインの「サグラダ・ファミリア」のことを思い出したのです。

 さて、どの国であっても、災害が起きてしまったなら、その復興に全力尽くします。
 そこに暮らす方々の大切な生活があるので、被災者の安心と安全を守る為に被災地を一日も早く復興して行くのは当然のことです。

 しかし、例えばそこに生活が無かった場合はどうでしょう。

 もし、復興が遅れれば遅れるほど苦しむ方達が存在しないのなら、ただ、急ぐためだけに莫大なお金を使う必要は無いのでは?
 例えば、今回の「首里城復元工事」も、全国から一気に宮大工さんを集めて急いて復元するより、宮大工さんが数代にわたって「首里城」を復元して行く。復元に掛ける時間だけを争うように完成させるより、日本中の若手大工さん(宮大工さんに限らず)がそれぞれの会社の理解を得て、全国から集まり、技術の継承の為に「首里城」の復元に関わって行く。そのため完成まで50年掛かってしまっても、私は逆にいいような気がするのです。

 このお城には住んでいる人はいません。ただ、観光資源として、お城にお勤めの方は多くいるはずです。しかし、過日も目の当たりにしましたが、復元中であっても我々の他にも多くの観光客が訪れていますし、その理念が逆に皆の胸を打ち、首里城復元ムーブメントに繋がり観光客が更に多く訪れることが想像できます。

 また、このムーブメントにより、復元の費用に関しても、国や県が多額の助成をするだけでなく、「サグラダ・ファミリア」のように、今より更に募金が増える気がしますし、日本中の建築会社や工務店が無償で若手大工さんを派遣してでも技を身につけさせて上げたいでしょうし、何より派遣された大工さんは、普通では関わることの出来ない、国を挙げての大事業に携わることも出来る。そうなれば、復元に物語性も生まれ、更には若手大工さんには大事業に携わったと言うプライドも生まれます。

 勝手なことを言っていますが、「そんな『首里城復元物語』をつくったら夢があって楽しいのに。」と強く思う視察となりました。

 失礼しました。

 以上です。

飯島建設株式会社