さて、今日も昔の話になります。
大学を卒業して戸田建設さんに入社させて頂きました。2年間現場経験をさせて頂いた後、東京支店の営業部に配属されました。
営業部の直属の上司は立教大学の応援団長経験者の方で、礼儀作法等、とても厳しい方でしたが、基本とても面倒見のいい上司で、残業等で遅くなる時も、残業なんてまるで無い時も、それこそほとんど毎日のようにご飯を食べに連れて行ってくれました。上司と言っても、年齢は30歳くらいで役職は主任すから、お金なんて無かったはずなのに、ほぼ毎回ご馳走になっていましたから上司の財布も大変だったと思います。
そしてこれまた毎日のように上司と通ったのが、日本橋にあった居酒屋の三州屋です。
主任と平社員の食事です。店に入る前には主任から厳命を受けます。
上司 「飯島、分かってるな?」
私 「分かってます。」
と、何のことかと言うと、注文してもいいメニューの上限金額です。
刺身の盛り合わせはNGです。ですから、大概頼んでいたのは、「サバの塩焼き」、「ブリの照り焼き」、そして「サンマの塩焼き」でした。今から30年前、たしか「サンマの塩焼き」は200円位だった気がします。
ごくごくたまに、お寿司屋にも連れて行って貰いました。
上司 「飯島、分かってるな?」
私 「分かってます。」
お寿司屋では、更に注文コードが厳しくなります。
注文は、「玉子」、「イカ」、「のり巻き」に「こはだ」がメインです。
お寿司屋さんの店主が見かねて苦笑いをしながら、たまにマグロをサービスしてくれるのがこの上なく嬉しかったのを覚えています。(笑)
ところがどうでしょう。30年前、我々が毎日のように食べてた「サンマ」「イカ」「こはだ」は、今や高級魚の部類に入って来てしまいましたよね。
2年ほど前に久しぶりに日本橋では無かったですが昼時に三州屋を見つけ、懐かしさのあまり昼ごはんを食べたのですが、「サンマ定食」はなんと800円でした。昔の倍以上です。
「上司がいたら絶対に注文させてくれなかっただろうな。」と思いつつ「サンマ定食」を注文しました。(笑)
30年前、主任と平社員の友だった「サンマ」は、インバウンドの波に乗り、かなりの出世を果たしたというお話です。
以上です。