今日は3月9日ですね。
3月9日と言えば、私の人生ベストソングの一つである、レミオロメンの「3月9日」。
今朝も車の中でこの「3月9日」を聞きながら、熱唱してきました。(笑)
さて、卒業シーズンになると必ず思い出すことがあります。
それは中学の卒業式。
体育館で卒業証書を授与され、それぞれの教室に帰ります。そこで担任先生と3年間過ごした仲間との最後のホームルーム。
私の担任のN先生は、長野師範学校卒業で、もろに「昭和の先生」を絵に描いたような人でした。それはそれは怖く、しかも、いつも竹刀を持っていてよくその竹刀でお尻を叩かれました。今では考えられない話です。(笑)
そんなN先生が最後のホームルームの教壇に立ちました。我々は先生の最後の話を聞こうと、じっとN先生を見つめます。
すると先生は一言もしゃべらずに歌い出したのです。
遠き別れに たえかねて
この高殿(たかどの)に 登るかな
悲しむなかれ 我が友よ
旅の衣(ころも)を ととのえよ
別れといえば 昔より
この人の世の 常なるを
流るる水を 眺(なが)むれば
夢はずかしき 涙かな
君がさやけき 目のいろも
君くれないの くちびるも
君がみどりの 黒髪も
またいつか見ん この別れ
君が優しき なぐさめも
君が楽しき うた声も
君が心の 琴の音も
またいつか聞かん この別れ
N先生は嗚咽しながらも、この「惜別の歌」を最後まで歌い上げました。
凄く下手くそでした。
我々も、嗚咽しながらこの下手くそな歌を最後まで聞き上げました。
そのあとは、もう誰もが言葉になりませんでした。
みんな、怖い怖いN先生が大好きでした。
昭和のとある卒業式のお話です。
以上です。