昨日は、当社の古くからのお得意先にご挨拶に伺って来ました。
とある分野で世界の30%のシェアを持つ、長野県を代表する「ザ・ものづくり企業」のF社さんです。
しかし、この度のコロナ禍によって業績とは違うところで影響が出ているようです。
5G時代を迎え世界中でIT関連の需要が高まる中、このコロナ禍にあっても受注は好調で世界各国に製品を納めているのですが、その素晴らしいF社さんの製品が納品先で稼働しないままになっていると言うのです。
要するに、顧客は、品質と生産性を高める為に製品を購入したのに、納品はすれども設置が出来ない状況なのだと。と言うのも、F社さんの製品設置に当たっては、どうしてもF社さんの技術者が現地に赴いて完了させる必要があるのですが、コロナ禍によって海外渡航が制限されているため、技術者を現地に送り込めない状況が続いていると言うのです。
ここに来て、一部の国では制限を解除して来てはいますが、やはり14日間の隔離期間は必須のようです。
しかし、現地に赴いて設置し稼働させないと、F社さんのミッションは完了しません。そこで、社長は悩んだ末に、現地で14日間、帰国して14日間の隔離も覚悟した上で派遣の決断をしたと言います。
そして次の悩みは誰を派遣するのかとなりますよね。
そうです。このコロナ禍で自ら進んで海外渡航を望む社員は少ないでしょうし、本人が納得しても家族の了解が得られるかどうかが分からない。
そこで、役員会では「役員が現地に行こうか?」との話に。しかし、「役員が総出で現地に赴けば、本体業務が回らない。」等、それこそ堂々巡りの議論をしたそうです。しかし最終的な社長の判断は、自ら行くことで社員さんについて来てもらうか、それとも社長の弟さんに行って貰うかで決着させたそうです。
「企業のリスク管理」とか「君子危うきに近寄らず」とかも、もちろん理解しますが、この判断は「先ず隗より始めよ」と言うことなのでしょう。
どんな判断をしても、100%の答えが見つからない難しい判断だったと思いますが、現状では社員さんの納得の行く判断だと思った次第です。
物事の判断は、とても難しいです。
以上です。